ご挨拶
公益社団法人 北九州市障害者相談支援事業協会 理事長 門田 光司
このたび、2020年6月より本協会の理事長に就任しました。ここで、ご挨拶をさせていただきます。
現在、障がい者施策において、国は第4次障害者基本計画(計画期間:平成30(2018)年度からの5年間)を策定しています。この計画には10の分野の障がい者施策の基本的な方向が示されていますが、その中の1つに「自立した生活の支援・意思決定支援の推進」があります。そして、この方向には、意思決定支援の推進と相談支援体制の構築が掲げられています。
相談支援体制の構築の内容では、相談支援事業者への専門的指導や人材育成、障がい者等の相談等を総合的に行い、地域における相談支援の中核的な役割を担う「基幹相談支援センター」の必要性とその設置、また関係機関の連携の緊密化や地域の実情に応じた体制整備についての協議会(自立支援協議会)の設置の促進が掲げられています。このように、本協会が北九州市より委託を受けております基幹相談支援センターと自立支援協議会は、わが国の障がい者施策における中核的な事業であり、同時にご本人とそのご家族の地域生活支援においては欠かせない重要な事業なのです。そのため、本協会としましても、相談支援のより良い体制に向けて尽力していく所存です。
一方、意思決定支援の推進は、自ら意思を決定すること及び表明することが困難な障がい者が障がい福祉サービスを適切に利用することができるよう、本人の自己決定を尊重する観点から、意思決定の支援に配慮しつつ、必要な支援等が行われることを推進するとあります。そのため、相談員は、ご本人の自己決定を尊重した理念のもとでどのような意思決定支援を行っていくのかが求められてきます。これに関しましては、相談員一人ひとりの裁量に任せるといったものではなく、本協会として取り組んでいかなければならないことです。また、この意思決定支援は、本協会が北九州市より委託を受けています他の事業(北九州市障害者虐待防止センター、北九州市障害者居住サポート事業、北九州市小児慢性特定疾病児童等相談支援事業)においても同様です。
ただし、相談支援において何よりも大切なことは、相談員と相談に来られた方及びご家族との信頼関係の構築が第一義です。この信頼関係の構築のうえで、意思決定支援も充実していくことになると考えます。そのため、これからも引き続き皆様方が安心して相談支援を受けていただけるように、理事・職員共々力を合わせて一丸となって取り組んでいきます。どうぞ今後とも本協会をご支援いただきますよう、よろしくお願いいたします。