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ごあいさつ

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ごあいさつ

 1990年代半ばの社会福祉基礎構造改革を契機として、障害の有無に関わらず全ての人が地域社会で自分の居場所を見つけ、人間関係を紡ぎ、自らの意思決定にもとづく生活を送るという福祉の文化の創造や成熟した福祉社会の構築が志向されてきました。障害のある方への福祉についても、マクロな視点では旧来の措置制度という枠組みから当事者の自己選択を起点とする枠組みへと変化し、規制緩和の効果も相まって地域での日常生活を支える保健・医療・福祉サービスの種類やその担い手などの制度的・量的側面は着実に充実してきたといえます。

 しかし一方で、当事者一人ひとりのミクロな視点から障害児者への保健・医療・福祉サービスを見ると、量的にも質的にも地域や担当組織、さらには支援者によって運営にばらつきがあり、障害のある当事者や家族に不満が生じ、やがては制度への不信感や実際のQOL(生活の質、人生の質)の低下につながることも少なくないという現実があります。

 制度のあり方に絶えず改善が求められるのは当然のことですが、これらの問題は、既存の制度が十分に機能できていないことや、適切な利用がなされていないという社会臨床の現場での運用の問題でもあります。そのような問題を解決しようとするプロセスが「相談支援」とよばれる機能であり、障害児者とその環境についての公正で的確なアセスメント、必要な保健・医療・福祉サービスについての適切な助言や提案、生活設計や人生設計にかかわる意思決定への支援、場合によっては家族や地域との人間関係を含む環境調整などのプロセスで構成されます。それは医療サービスに例えると、診察を行って、現状を説明し、治療方針や療養計画を提案する医師や看護師などの仕事に相当するものです。

 福祉サービスの相談支援は生活や人生という長い時間軸を前提とするため、分かりづらい側面がありますが、人間の心身の仕組みや働き、地域社会の構造や機能、保健・医療・福祉制度への深い理解と調整力を必要とする高度に専門的な支援機能です。もちろん、当事者の視点からは家族や地域社会の人々もかけがえのない大切な支援機能を担っていることは言うまでもないことですし、専門職による相談支援は単に制度運用に限らず、当事者と保健医療福祉の多様なサービス提供主体、さらには家族や地域社会の人々の関係調整という専門的コーディネータの役割も担っています。このように、障害福祉分野での相談支援は高度な専門性を持つスタッフと、その人間性や倫理感の向上のための継続的な努力によって支えられ、質を確保することができる極めて人間的な営みなのです。

 当法人は北九州市における障害者地域生活支援センターの運営を担うため、複数の障害当事者団体と北九州市との連携により、2006年(平成18年)にNPO法人として出発しました。2011年(平成23年)には公益法人の認定を受け、2012年(平成24年)からは障害者総合支援法にもとづく北九州市障害者基幹相談支援センターとして北九州市全域の障害のある方やそのご家族、さらには地域の人々への生活や人生にかかわる総合的・専門的相談支援を担っています。また、同センターの運営をベースとして、障害者虐待防止センター事業、触法障害者支援事業、障害者居住サポート事業、小児慢性特定疾病支援事業などを北九州市から受託し、各区役所や児童相談所等の専門機関、地域の障害福祉事業所や医療機関等と連携しながら、障害児者の地域での生活や人生を総合的に支えるとともに、北九州地域の障害福祉全体の質の向上にも取り組んでいます。

 このような基幹相談業務を公正・的確に担っていくためには、当事者はもとより、関係機関や市民の皆様など多くの方々からの健全な批判と助言をいただきながら、当法人スタッフが謙虚に学び続け、他機関とのネットワークと連携によって日々の実践を重ねることが何よりも重要です。皆様のご協力とご支援をお願い申し上げます。

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ公益社団法人 北九州市障害者相談支援事業協会ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ理事長 工藤 一成

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